豊島将之名人(30)=竜王とあわせ二冠=に渡辺明二冠(36)が挑戦する第78期将棋名人戦七番勝負(朝日新聞社、毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛)の第4局は27日午前9時、東京都文京区のホテル椿山荘東京で始まった。ここまで2勝1敗の豊島名人が初防衛にあと1勝と迫るか、渡辺挑戦者がタイに戻すか、重要な一局だ。
第4局は渡辺二冠の先手番。持ち時間が各9時間の2日制で27日夕方に封じ手、28日午前9時に再開し、夜までに決着する見込み。立会人は中村修九段(57)が務める。(村上耕司)
中村太地七段の動画解説
名人戦、形勢は?
脇システムという「何十年も前からある戦型」になった名人戦第4局。副立会人の中村太地七段は「一手間違えると一気に形勢を損ねる局面」と話す。現局面は「後手が駒得だが、先手の方が勝ちやすい」と解説する。形勢判断や今後の展望について、動画で解説した。
神田伯山さんと「すごい後輩」
朝の対局室。対局開始を待つ関係者に交じって、人気講談師の六代目・神田伯山さん(37)が静かに座っていた。挑戦者の渡辺明二冠とは、聖学院高校の1年先輩にあたるという。名人戦が終わったあとに専門誌の「将棋世界」で同窓対談をすることが決まっていることから、観戦に訪れた。
同じ伝統文化の世界に生きているものの、将棋の観戦は初めて。対局者二人がそろって駒を並べ終わっても、誰一人声を発することがない静寂が続いた。午前9時に対局が開始されるまでの10分ほど、「(初手に)随分長く考えるなと思っていたんですよ」と笑いながら明かした。
初手観戦を終え、「素晴らしい文化ですね。世の中のあらゆる流れが早まっていくなか、2日間にわたって一局の将棋をつくる。こんな文化はほかにないですね」と振り返った。
同じ高校とはいえ、学年が違う…
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2020-07-27 03:26:09Z
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