8月14日。第78期名人戦七番勝負第6局▲渡辺明二冠(36歳)-△豊島将之名人(30歳)戦が始まりました。
対局がおこなわれるのは大阪・関西将棋会館5階、御上段(おんじょうだん)の間。関西会館で名人戦の番勝負がおこなわれるのは、史上初めてのことです。
豊島名人はグレー、渡辺挑戦者は白いマスクをつけての対局。コロナ禍に見舞われた今年、名人戦も大きな影響を受け、いくつもの新事例が現れています。
七番勝負の形式で8月に名人戦の対局がおこなわれたのは戦時中の1942年、第3期名人戦(木村義雄名人-神田辰之助八段)のみ。当時は3日制で、決着局となった第4局は8月22日に始まり、24日に終わりました。今期名人戦が最終第7局(8月27日・28日)までもつれこめば、その記録も更新することになります。
上座に座る豊島名人。背にしている床の間には、歴代4人の永世名人の書が掲げられています。
向かって右からは、次のように書かれています。
天法道 木村義雄(14世名人)
地法天 大山康晴(15世名人)
人法地 中原 誠(16世名人)
道法自然 谷川浩司(17世名人)
これらは老子『道徳経』の一節からの言葉です。
永世名人の資格は名人位通算5期以上の棋士に与えられます。1935年に実力制名人戦が始まって以来、永世名人の資格を得たのは上記4人の他に、森内俊之九段(18世名人)、羽生善治九段(19世名人)の6人しかいません。
20世名人となるのは、はたして誰でしょうか。
本局の立会人を務めるのは17世名人資格者・谷川浩司九段。
「定刻になりました。第78期名人戦第6局。渡辺二冠の先手でお願いします」
谷川九段が開始の声をかけて、両対局者一礼。対局が始まりました。
渡辺挑戦者はしばし瞑想。カメラのシャッター音、電子音が鳴り響く中、初手に角道を開けました。
対して豊島名人は飛車筋の歩を伸ばします。
3手目、渡辺挑戦者は左の銀を上がりました。これは矢倉を志向する意思表示です。戦型は相矢倉となりました。名人戦では古くから指されてきた戦型の一つです。
30手目。豊島名人は矢倉城を構成している銀を四段目に上がります。これは急戦矢倉の構え。本局では銀を出る前に1筋端歩の突き合いがあるところなどに、豊島名人の工夫が表れているようです。
現在は渡辺挑戦者が31手目を考えているところ。時刻は10時を過ぎました。
名人戦1日目は昼食休憩をはさみ、18時に手番の側が「封じ手」をおこなって、指し掛けとなります。
7日・8日におこなわれた第6局は渡辺挑戦者が勝ちました。
渡辺挑戦者は名人位獲得まであと1勝と迫っています。1935年に実力制名人戦が施行されて以来、今年で85年。もし渡辺挑戦者が名人位を獲得すれば、史上15人目の実力制名人となります。
渡辺挑戦者の今年度成績は7勝6敗。
渡辺挑戦者は藤井聡太新棋聖にタイトルを一つ渡して二冠となりましたが、もし名人位を獲得すれば三冠にも復帰します。
一方の豊島名人は今年度7勝8敗2持将棋。
名人戦と並行しておこなわれている叡王戦七番勝負では永瀬拓矢叡王と歴史的死闘を演じているところです。
ハードスケジュールの中、名人戦、叡王戦ともに2勝3敗でカド番に追い込まれた豊島名人。ここから巻き返すことはできるでしょうか。
渡辺挑戦者、豊島名人の過去の対戦成績は、渡辺20勝、豊島13勝です。
2020-08-14 01:01:41Z
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