快進撃が続く堺雅人主演『半沢直樹』。
TBSの佐々木卓社長も7月の定例記者会見で「半沢は別格で大きく期待」と述べるほど、今や特別な番組になっている。
その強さの要因はいろいろあるが、視聴者の見方を分析すると“逃げない”=「途中で脱落しない」ことと、“一途”=「全話見続ける」人が多い点が特徴だ。
他のドラマとどう違うのか、分析してみた。
視聴者は“浮気者”
テレビドラマの視聴者は、一般的には“浮気者”が多い。
どんなに魅力的な連ドラでも、自分の都合である回は見るが、別の回を見なかったりするものである。
関東地方で41万台のインターネット接続テレビの利用状況を調べる東芝映像ソリューションの「TimeOn Analytics」によれば、1クール3か月で10話前後ある連続ドラマを毎話欠かさず見る人はごく一部。中には10人に1人もいないドラマもあり、如何に視聴者が“浮気者”か統計的に浮かび上がる。
図1は今期がシリーズ第2弾となった4ドラマを、初回から3話までの視聴パターンで比較したもの。
「ライブで見た」あるいは「録画再生で見た」パターンを含めて調べているが、まず目につくのは『半沢直樹』の圧倒的な人気。初回の視聴は23.43%に達し、2位『ハケンの品格』に9ポイントほど、3位『BG~身辺警護人~』の2倍、4位『SUITS/スーツ2』3倍以上となった。
ただし絶好調の『半沢直樹』ですら、初回から3話まですべて見た(濃い緑色の部分)のは、1話でも見た全体(28.32%)の半分強となってしまう。
それでも半分強が見続けるのは画期的なこと。
『ハケンの品格』も『BG』も半分に届いていないし、『SUITS/スーツ2』に至っては4分の1にも届かない。全話を見続ける“一途”な視聴者が多い、つまり多くの人がハマっているかがわかる。
視聴者が“逃げない”
『半沢直樹』のもう一つの特徴は、視聴者が途中で“逃げない”(=脱落して見るのをやめない)こと。
黄色や赤色の部分は、一旦見始めたものの2話や3話を見なかった人。逆に水色は、2話から見始めて3話も見た人。青色は、初回を見て2話を見なかったが、3話で復帰した人だ。
この分類で見ると、初回か2話を見たが3話を見なかった人は、『半沢直樹』が5.29%で最も高い。
ただし初回や2話を見た比率が圧倒的に高いために、3話脱落者の絶対数が多くなっている。これを図2のように、初回の視聴数を1として各パターンを指数化すると、各ドラマを見始めた人の3話までの行動パターンの比較がわかりやすくなる。
初回を見た中で『半沢直樹』3話を見なかったのは22.6%。
『BG』25%、『ハケンの品格』29.1%より低い。ちなみに『SUITS/スーツ2』だと62.5%にも及ぶ。このドラマの場合、番宣が十分に効かなかったのか、初回の視聴が低調だった。ただし2話で初回の77.9%もの人が新たに見始めるという普通はあまり見られない現象が起こった。
しかもコロナ禍の影響で2話と3話の放送が2か月以上空いたためか、3話を見なかった人が大量に出てしまった。
いずれにしても初回視聴を1とすると、3話まで見続ける率65.6%は断トツに高い。逆に3話を見なかった率22.6%は圧倒的に低い。
第1弾が好評で今期が第2弾となった4ドラマをはじめ今期の全ドラマの中で、唯一20%台で視聴率を上げ続ける『半沢直樹』。
視聴者が“逃げない”かつ“一途”である以上、4話以降も大いに期待できそうだ。
どこまで視聴者の期待を良い意味で裏切り続け、物語の展開にハメてくれるか見届けたい。
2020-08-09 04:31:20Z
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