女優の吉永小百合が主演を務める映画『いのちの停車場』の追加キャストとして、女優の石田ゆり子、俳優の伊勢谷友介らの出演が発表された。吉永と石田は、10年ぶりの共演となる。また撮影開始にあたり、吉永は「今、素晴らしい仲間たちと手をたずさえて歩き出しました。困難を乗り越えて、皆さまの心を打つ作品を作ります。待っていて下さい、私達の映画を」とメッセージを寄せている。
医師・作家の南杏子による同名小説(幻冬舎)を実写化する本作は、今の日本の長寿社会における現代医療制度の問題点や、尊厳死・安楽死などの医療制度のタブーに正面から向き合い、それらに携わる医師、患者、その家族を描くヒューマン医療ドラマ。吉永が出演作122本目にして初の医師役に挑む。監督は成島出。脚本は平松恵美子が担当する。
吉永が演じる主人公の医師・白石咲和子は、長年大学病院で救命救急医として勤務してきたが、ある事情から石川県の実家へ戻り、在宅医療を通して患者と向き合う「まほろば診療所」に勤めることに。在宅医療という、これまで自分が経験してきた医療とは異なるかたちでの、“いのち”との向き合い方に最初は戸惑いながらも、診療所のスタッフに支えられて、在宅医療だからこそできる患者やその家族との向き合い方を見つけ出していく。
石田が演じるのは、女流プロ囲碁棋士の中川朋子役。がんを患い手術を受けたが、転移が見つかり、咲和子を頼ってまほろば診療所を訪れる。石田は吉永とは『北の零年』(2005)、『おとうと』(2010)以降、10年ぶりの共演となり、癌患者でありながら咲和子と幼なじみという難しい関係性を演じる。
伊勢谷は、脊髄損傷の四肢まひ患者で、IT企業の若き社長・江ノ原一誠役。社員のために早期回復に執念を燃やし、咲和子に最先端の治療のコーディネート役を依頼する患者を演じる。
また、末期の肺がん患者で最期まで自分らしくあろうとし、咲和子の指導に反発する芸者・寺田智恵子役に小池栄子。老老介護に限界を感じ、妻の治療をしようとする咲和子らに非協力的な夫・並木徳三郎役に泉谷しげる。そして、小児がん患者の幼い娘に迫る死を受け入れられず、新薬を使った治療を求める母親・若林祐子役を南野陽子が務め、病気と向き合う娘への愛するが故の複雑な感情を持つ母親を演じる。
このほか、まほろば診療所のスタッフが集う憩いの場「BAR STATION」のマスター・柳瀬尚也役にみなみらんぼう。さらに、末期の膵臓(すいぞう)がん患者で元厚生労働省の官僚・宮嶋一義役を柳葉敏郎が演じる。最期の時間を平穏に過ごしたいと咲和子らに望んでいるが、長年会えていない息子のことを気がかりに思っている父親の面も持つ役どころだ。
映画『いのちの停車場』は2021年全国公開。
2020-09-04 21:49:00Z
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