茨城県ひたちなか市で8月、5日間の日程で開催される予定だった国内最大級の野外音楽祭「ロック・イン・ジャパン・フェスティバル(ロッキン)」の中止が決まった。運営事務局が7日、発表した。開催まで1カ月を切った中、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた県医師会などの延期検討要請に「十全に応えることができないと判断した」と説明する一方、県内の医療従事者からは「感染が収まらない中では仕方ない」との声も上がる。
同事務局などによると、2日に県医師会などから、主催者の茨城放送に要請書の提出があったという。
要請書では、希望者へのワクチン接種が終わっておらず、変異株の感染も広がっていることから「開催には強い危機感を抱かざるを得ない」と指摘。感染状況に応じて中止や延期を検討することと、開催する場合は、更なる入場規制や観客の会場外での行動を含む感染対策に万全を期すことの2点を要請した。
しかし、今回の開催を巡っては、既に新型コロナ対策で入場者数を例年の半分以下に制限。チケットは1日当たり約2万人に販売しており、購入を希望しながら抽選に外れた人も多く、さらに入場制限を加えることは不可能と判断。観客の会場外での行動を管理する事も困難と判断し、中止を決定した。
総合プロデューサーを務めるロッキング・オン・グループ代表取締役で音楽評論家の渋谷陽一さんは公式サイトを通じ「無念としか言えないが、支出は日に日に何千万円単位で増えていき、判断の先延ばしはリスクが大きすぎる。フェスにとって地元や医療関係者の協力と理解は不可欠で、要請に応えられなければ中止以外の選択肢はなかった」とコメントした。
一方で、県医師会の担当者は、毎年複数の熱中症患者が周辺医療機関に搬送されているという、「夏フェス」特有の事情を懸念する。新型コロナの流行下では、感染者なのか熱中症患者なのかが検査結果が出るまで判別できず、地元病院から不安の声が上がっていたという。また、若年層のワクチン接種が進んでいない中で、首都圏を中心に全国から人が集まるため、「爆発的なクラスター(感染者集団)が発生する可能性もゼロではない」と指摘する。
この担当者は「主催者側の気持ちも分かるが、茨城の医療資源は豊富とは言えない。極めて当たり前の要請をしたと思う」と話した。県医師会には要請に対する抗議の電話が相次いでおり、業務に支障が出ているという。
大井川和彦知事は「2年連続の中止は大変残念。苦渋の判断であり、やむを得ない」とコメント。ひたちなか市の大谷明市長は「残念だが、決断は尊重する」とした。
ロッキンは国内最大級の音楽フェスティバルとして、2019年は5日間で過去最多の約33万人を動員。今回も8月7~9日、14、15日にKing Gnu、宮本浩次、あいみょん、YOASOBI、LiSAなどのトップアーティストの出演が予定されていた。
JR東日本水戸支社はロッキンの中止発表を受け、開催日の5日間に臨時運転を予定していた特急列車30本と普通列車10本を運休すると発表した。【韮澤琴音】
2021-07-07 14:36:50Z
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