将棋の藤井聡太3冠(王位・叡王・棋聖=19)が史上最年少4冠獲得を目指して豊島将之竜王(31)に挑戦する、第34期竜王戦7番勝負第4局が12、13日に山口県宇部市・ANAクラウンプラザホテル宇部で行われる。開幕から3連勝の藤井が勢いに乗ってストレートで竜王奪取するか、かど番の豊島が巻き返すか。注目の大一番を迎える。
両者は11日、対局会場での前日検分後、同ホテルで行われた前夜祭に出席した。紺のスーツ姿で登場した藤井は「地元の方に歓迎していただき、ありがたいです。いままでの反省を踏まえ、一手一手を考え抜いて、いい将棋を指したい」と決意を語った。
宇部市を初めて訪れたという藤井は宇部観光について「『宇部ラーメンを食べてみたい』と言っていたら、今回、サプライズで『宇部ラーメン』をいただいた」と大喜び。壇上で地元名産品とともに、こってり系の「宇部ラーメン」の目録も手渡された。宇部市の担当者は「サプライズですので、何食分を贈るかは、これから決めます」と話していたが、数分後、急きょ、“会議”を開き「10食分」を贈呈することに決めた。 竜王戦7番勝負は京都など全国を転戦する。必需品について質問された藤井は「デジタル時計を必ず持っていくようにしている。温度計もついているので、暑いか寒いか。重宝しています」と“相棒”ができたことも明かした。
豊島は「対局なので地元の観光はできないかもしれないが、地元の食べ物を楽しみたい」と話し、「3連敗と苦しい展開ですが、1局でも多く対局をできるようにシリーズを盛り上げたい」と決意を語った。
全国転戦の必需品については「枕を持ち歩くようにしています」と明かした。
2人のタイトル戦での対決は今年3回目。6月からの王位戦7番勝負は藤井が4勝1敗で初防衛し、7月からの叡王戦5番勝負でも挑戦者の藤井が3勝2敗でタイトルを奪取し、史上最年少の3冠となった。
両者の対戦戦績は藤井の12勝9敗。藤井は豊島との初顔合わせとなったデビュー1年目の17年8月の棋王戦挑戦者決定トーナメントから6連敗を喫したが、今年に入り、巻き返し、現在6連勝中だ。
竜王戦7番勝負は2日制で、持ち時間各8時間。名人と並ぶ将棋界最高位の竜王を奪取すれば、自身最多の4タイトルを同時に保持。羽生善治九段(51)の22歳9カ月の史上最年少4冠の記録を大幅に更新する19歳3カ月で4冠となり、史上初の「10代4冠」が誕生する。【松浦隆司】
2021-11-11 11:09:33Z
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