将棋の藤井聡太竜王(19)=王位、叡王、棋聖=が渡辺明王将(37)=名人、棋王=に挑戦している第71期王将戦七番勝負第2局が23日、大阪府高槻市の旅館「山水館」で前日から指し継がれ、後手の藤井竜王が98手で勝ち、シリーズ2連勝で史上最年少となる4人目の五冠に前進した。1日目に自身最長の2時間28分の大長考を実らせ優勢に。終わってみれば1時間19分も持ち時間を残す完勝だった。
大きな白星を静かに手にした藤井の表情は、いつも以上にクールだった。「激しい展開でどうなっているのか分からない局面が多かったですけど、攻める形になって好転したのかなと思います」。激しい展開を鎮め、落ち着いて制した2日間を冷静に振り返った。
第1局のような名局でも、手に汗を握る熱戦でもなかった。しかし、さらなる成長を表現する一局だった。8日、開幕局の前日会見で藤井は語っていた。「渡辺王将はタイムマネジメントが巧みだなあ、という印象を受けています。2日制では封じ手のタイミング(の重要性)もありますので、こちらも慎重にしっかり対応したいです」。その言葉通り、「慎重にしっかり対応した」勝局になった。
1日目。中盤に差し掛かったところで、渡辺が果敢に踏み込む。その一手に対して自身最長となる2時間28分の大長考に沈んだが、結果的にはその長考で腰を据えたことが勝利への礎になった。
148分間を費やし、膨大な読みを入れて手にした裏付けは、形勢リードが続いた2日目の戦いを下支えした。優勢を勝勢へと加速させた一手について、藤井は「攻め合いになってどうかなと思いましたけど、踏み込んでみようかなと。読み切れてはいなかったですけど、感触は良かったです」と振り返った。
持ち時間8時間の約3分の1を投じた効果は絶大。終わってみれば1時間19分も残す完勝となった。過去全27局のタイトル戦をひもとくと、1時間19分を残しての勝利は、昨年8月の王位戦七番勝負第5局で豊島将之竜王(当時)に勝って王位防衛を果たした一局の1時間52分に次ぐ2番目の長さだった。
デビュー以降、課題を「形勢判断」と挙げることが多かった藤井だが、最近は「タイムマネジメント」と語ることが増えている。本局では卓越した時間管理術を披露し、まだまだ進化し続けていることを盤上で表現した。
先手番となる第3局は29、30日に栃木県大田原市で行われる。「スコアは意識しない方がいいと思いますし、しっかり準備したいと思います」と慢心はない。8時間の持ち時間を再び冷静に操って、一気の王手を目指す。(北野 新太)
2022-01-23 21:00:00Z
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