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最年少五冠の藤井聡太竜王「実力を高めて少しでも近づければ」羽生善治九段以来の全冠制覇へあと三冠 - スポーツ報知

最年少五冠の藤井聡太竜王「実力を高めて少しでも近づければ」羽生善治九段以来の全冠制覇へあと三冠 - スポーツ報知

 将棋の藤井聡太竜王(19)=王位、叡王、棋聖=が渡辺明王将(37)=名人、棋王=に挑戦していた第71期王将戦七番勝負第4局が12日、東京都立川市のソラノホテルで前日から指し継がれた。後手の藤井竜王が114手で勝利し、シリーズ4勝0敗のストレートで王将位を奪取した。故・大山康晴十五世名人、中原誠十六世名人(74=引退)、羽生善治九段(51)に次ぐ史上4人目、19歳6か月での最年少五冠となった。

 何を思い浮かべたのか、瞳を閉じながら数秒間考えていた。五冠になった感想を求められた藤井は、沈黙した後で言った。「自分の実力を考えると、ここまでは出来過ぎの結果です。今後、見合う実力をつけていけたら」。いつものように謙虚な言葉を紡いだ。

 神域に到達する一局も藤井らしい将棋だった。戦略家である先手の渡辺がわずかに主導権を握って進めた1日目。2日目は現代居飛車の極点に至るような難解かつ繊細な局面が続く。互角で推移したが、終盤で本領を発揮。選択肢を絞りにくい局面でも常に最善手を続けてリードを拡大。第一人者を投了に追い込んだ。「今回、勉強になる部分があったので今後に生かしていけたら。王将は歴史あるタイトル(1951年からタイトル戦)なのでうれしく思います」

 タイトル戦は通算25勝4敗、うち2日制は16勝1敗。敗退知らずのまま7期目を得た。棋史に例のない勢いで勝ち続けている。史上4人目の五冠は、19歳6か月での達成。93年に22歳10か月で到達した羽生九段の記録を29年ぶりに塗り替える史上最年少記録となった。

 転機を与えてくれた王将戦でついに頂点に達した。2019年秋は、勝てば挑戦権を得る一局で、一分勝負の秒読みに追われて頓死。苦い経験を糧に、数分の持ち時間を残すタイムマネジメント術を体得した。3連敗した20年秋のリーグ後には、狙い撃たれた序盤を改善するため新しい将棋AIを導入。指し口を広げた。

 タイトルの過半数を手にし、全八冠同時制覇も現実味を帯びる。96年に羽生九段が全七冠(当時)を独占して以来の快挙になる。今後、権利のある全棋戦でタイトルを防衛・獲得を続ければ23年春、20歳で史上最年少名人に就くと同時に八冠になる。藤井は「防衛戦が始まりますし、具体的に目指すことではないと思います」と語りながら「経験を通して実力を高めていくことで、少しでも近づければいいのかなと思っています」と静かに言った。

 感想戦は約1時間も続いた。取材では表情を崩さなかった新王将は、渡辺と局面の見解を語り合いながら楽しげに笑い続けた。「あははは」「うふふふ」。まだ少年のようなあどけなさを残す青年は五冠になった。駆け上がっているのは、史上最高の棋士への階段である。(北野 新太)

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2022-02-12 21:00:00Z
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