7日から福岡市中央区の「アゴーラ福岡山の上ホテル&スパ」で行われた第80期名人戦七番勝負第3局(毎日新聞社、朝日新聞社主催、大和証券グループ協賛、九州電力、QTnet協力)は8日午後9時5分、挑戦者の斎藤慎太郎八段(29)が134手で渡辺明名人(38)に勝ち、今期初白星を挙げて1勝2敗とした。残り時間は渡辺10分、斎藤2分。第4局は19、20日、山口市の「山水園」で行われる。
3三桂(134手目)が指されてから、渡辺は明らかに落胆した様子だった。頭を抱えたり、しきりに飲み物を口にして窓の方向を向いたり。局面は敗勢で、いつ投了してもおかしくない状況のまま時間だけが過ぎ、残り10分の秒読みを告げられてついに投了した。投了までの考慮時間は異例の長さの24分。「勝てば3連勝」という対局に敗れたショックを感じさせた。
第1局、第2局と渡辺が連勝して迎えた第3局。角換わり戦から渡辺が工夫し、急戦含みの手将棋が展開された。渡辺は中盤の折衝でもポイントを挙げて優位を拡大。2日目夕方の休憩の時点では、渡辺は指しやすさを感じていた。
しかし、逆転にかける斎藤が2五桂(92手目)の勝負手を放つと、渡辺は対応に苦慮。同桂と応じれば先の長い戦いになったが、19分考えて指した2八歩が疑問手で、渡辺玉は急に危なくなった。
その後、斎藤が正確に渡辺玉を寄せて勝ち切り、七番勝負の後半戦へ向け、反撃の態勢に転じた。
解説の及川拓馬七段は「中盤は渡辺名人の卓越した大局観が印象的でしたが、本局は終始斎藤八段のバランスを取りながら強気に指す方針が見事で、逆転勝利につながりました」と語った。【山村英樹】
斎藤八段の話
少しでも先手玉に嫌みをつけようと思ったが、なかなかうまくいかず、2日目の夕方では足りないと感じていた。逆転のために2五桂の筋が成立することが必要と思っていたが、(92手目で)指すことができて、6一金(120手目)と指して「よくなった」と思った。5月の名人戦は次戦(までの期間)が早いが、本局の反省も生かして臨みたい。
渡辺名人の話
2日目夕方の休憩前には指しやすさを感じていたが、直前の3七桂(79手目)は、結果的に嫌な形になったので、3七角(にすべき)だったか。その後も方針が定まらず、2八歩でいっぺんにダメにしてしまった。第4局へ(気持ちを)切り替えていきたい。
2022-05-08 12:06:44Z
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