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「鎌倉殿の13人」大泉洋 小栗旬から“手のひら返し”「頼朝さんは死ぬのが早すぎた」 - スポニチアネックス Sponichi Annex

「鎌倉殿の13人」大泉洋 小栗旬から“手のひら返し”「頼朝さんは死ぬのが早すぎた」 - スポニチアネックス Sponichi Annex

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第26話。起き上がって縁側に座り「これは何ですか?」と政子に尋ねる源頼朝(大泉洋)(C)NHK
Photo By 提供写真

 俳優の小栗旬(39)が主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)は3日、第26話が放送され、俳優の大泉洋(49)が硬軟自在に演じ、圧倒的な存在感を示してきた鎌倉幕府初代将軍・源頼朝の最期が描かれた。相次ぐ冷血な粛清により、SNS上には「#全部大泉のせい」というハッシュタグも出現し、憎まれ役となった今作の頼朝。それでも、大泉のコミカルな演技や“人たらし”ぶりが冴え渡ったため、オンエア終了後、SNS上には悲しみの声があふれ返り、瞬く間に「頼朝ロス」が広がった。ドラマ前半最大の立役者・大泉が撮影を振り返った。

 <※以下、ネタバレ有>

 稀代の喜劇作家・三谷幸喜氏が脚本を手掛ける大河ドラマ61作目。タイトルの「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府将軍のこと。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。新都・鎌倉を舞台に、頼朝の13人の家臣団が激しいパワーゲームを繰り広げる。三谷氏は2004年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。小栗は8作目にして大河初主演に挑む。

 第26話は「悲しむ前に」。落馬した源頼朝(大泉)の容体を心配する政子(小池栄子)。安達盛長(野添義弘)が涙に暮れる中、北条義時(小栗)は先を見据え、大江広元(栗原英雄)らと頼朝の嫡男・頼家(金子大地)を次の鎌倉殿とする新体制作りを始める。しかし、頼家の乳母父・比企能員(佐藤二朗)の台頭を嫌うりく(宮沢りえ)が、夫・北条時政(坂東彌十郎)を焚きつけ、この流れに対抗。鎌倉に不穏な空気が流れる中、狩りから戻り、父・頼朝の容体を知らされた頼家は…という展開。

 政子らの願いは届かず、頼朝は荼毘に付された。事切れる前、頼朝は起き上がって縁側に座り、政子が運んだ食事の器を手に「これは何ですか?」。遺骨は生前、最もつながりの深かった盛長が運び、御所の裏にある持仏堂に納められた。

 今作の頼朝は上総広常(佐藤浩市)、源義高(市川染五郎)、源義経(菅田将暉)、源範頼(迫田孝也)らを次々と粛清。その冷酷ぶりにSNS上には「#全部大泉のせい」というハッシュタグも出現し、何度もツイッターのトレンドに入る憎まれ役となった。一方、女癖の悪さが幸いし、長狭常伴(黒澤光司)(第7話、2月20日)や曽我十郎(田邊和也)五郎(田中俊介)兄弟(第23話、6月12日)の襲撃を回避し、命拾いする強運も。愛妾・亀(江口のりこ)のいる館が焼かれる「後妻(うわなり)打ち」の際の「ここまでするか?」(第12回、3月27日)、義時と比奈(堀田真由)を奪い合いになった際の「あっ、そう!(見送りは)無用である!」(第23話)など、幾度となく視聴者の爆笑を誘う演技は大泉の真骨頂となった。

 役作りについて、大泉は「自分が演じる役ですから、皆さんが言うほど僕は嫌いじゃないです。彼がやってることはとても正しいというか。でも演じる上では、どこか孤独な人というか、ちょっと生い立ちが不幸だったなと思いますね。子どもの頃に家族を殺されて伊豆に流されてしまい、人をなかなか信用できないところがあるんだろうなと思う。頼朝なりの愛情はいろんな人にあったとは思うんです。政子や子どもたちだったり、義時や義経だったりへの愛情はもちろんある。ただ彼にとって一番大事なことって、自分のことや自分の一族のことなんですよね。すべては自分の、源氏の一族が末代まで繁栄できるようにということしか考えていないんだと思うんです。もちろん兄弟は大事なんだけど、自分に取って代わる可能性が一番あるのも兄弟だったんですよね、あの時代は。だから、やっぱり義経にしても、範頼にしても、排除せざるを得ない。そこがまた彼が孤独で人を信じ切れない人だからこそなんでしょうけど」と解釈。

 「ただ、あの時代を見ると、兄弟を排除する、親を排除するというのが実はもの凄く多いわけです。今回はそこが見事に描かれちゃってるから、頼朝さんはどうしても嫌われちゃうんだけど“そんなの、みんなそうじゃないか!”と私は思ったりもするんですけど(笑)」とボヤいた。

 第2話「佐殿の腹」(1月16日)のラスト、頼朝は義時に「おまえだけには話しておく。いずれ、わしは挙兵する。都に攻め上る。憎き清盛の首を取り、この世を正す!法皇様をお支えし、この世をあるべき姿に戻す!そのためには政子が、北条が欠かせぬのだ!良いな、事は慎重に運ばねばならん。このことは兄にも話すな。小四郎、おまえはわしの頼りになる弟じゃ」。以降、義時には本音を打ち明けてきた。

 その理由について、大泉は「頼朝は、直感的な判断で人を見ていたと思うんですよね。義時については、もう会った途端から好きというか。小栗旬くんが演じている義時という人は、真面目だし、野心がない。そういうところを見ていたんじゃないですかね。結局、義時は頼朝に付いていって、頼朝をずっと見て、どんどん変わっていってしまうわけですよね。そこもまた『大泉のせい』って言われちゃんだろうな(笑)」と分析。

 義時の“頼朝化”については「顕著になるのは頼朝が亡くなってからだとは思います。曽我兄弟の仇討ちの収め方とかも、義時ならではというか。そういう、とっても賢い人だっていうのを、頼朝は見抜いていたんじゃないですかね。でも“自分に似てきてるな”と思っていたかと言われると、僕はそう思って演じてはいなかった」とした。

 第1章が完結し、次回第27話(7月17日)からは第2章の幕が開ける。

 「この『鎌倉殿の13人』って、頼朝が死んでからが大事なお話というか。頼家の時代になってからが本番になる。だから当初、小栗くんとはLINEでよく“早く大泉死んでくれないと困る”とか“三谷さん、頼朝を描きすぎた”とか言ってたんだけど、最近、僕が死んでからは相当厳しい決断が続いているらしくて“いやぁ、頼朝さんは死ぬのが早すぎた”って手のひらを返された(笑)。頼朝がやってた厳しい決断を、今度は自分で下してるんだろうなと想像しているんだけど」と小栗とのやり取りを明かした。

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2022-07-03 12:00:00Z
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